2020年5月17日 (日)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑮仕上げのディッピング(了)

さあ、最終回は仕上げのディッピングです。

【ディッピング(仕上げ)】

仕上げのディッピングは、上塗り用の濁りのないセルロースセメントを使います。元々の缶から出したばかりのフレッシュなセルロースセメントは、若干揮発して固くなっていることがあります。目安としては、割り箸などを浸けて引き上げてみたときに割り箸にセルロースセメントがまとわりつつ、サラサラと流れ落ちるのがベスト。まとわりつく量が多く(厚くなる)ドロドロと流れ落ちるときは、ラッカーシンナーで薄めてください。

セルロースセメントが固い状態のままだと、皮膜が厚くなりすぎたり、流れ落ちるのに時間が掛かりすぎて表面を浸食しすぎて塗装が流れるなどの悪影響が出ます。

ディッピングの方法は下地と同じ。上下を交互に変えながら行います。

まず、上塗り用を6~8回行います。

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もちろん、毎回、垂れてきたセルロースセメントを取り除きながら作業を進めます。

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ちなみに左端にチラッと写っているのは、途中から同時進行で行っていたハンドメイドルアーのリメイクです。ダメージカラーを導入する前に製作したルアーだったので、新たにダメージカラーにカラーチェンジしてみました。

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話は戻って、今回は6回、ディッピングしたところで仕上げに向けた最終研磨です。指先でゆっくりなでて気になる凸凹などがあればマーキングします。

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これを1000番の耐水ペーパーで慎重に削ります。せっかく形成してきた皮膜の下まで削れないように注意します。

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ディッピングで、再び凸凹ができているのが分かります。

研磨作業が終わったら乾燥させて、仕上げ用のリターダーを混ぜたセルロースセメントでディッピングを2回行います。

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そして完成です。

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この後は、1~2週間、陰干しで乾燥させます。これは、文字通りの乾燥とともに臭気抜きの意味があります。完成後、時間が経たないルアーを密閉防水型のルアーケースに入れておくと…フィールドで開けた瞬間にセルロースセメントの臭いが漂います。そうならないように、臭気抜きをお薦めします。もちろん、部屋の中で臭気抜きは厳禁です。

臭気抜きの前にルアーの計測をしましたが、レッドヘッド、グリーンバックともに90mm・19gで、事前の想定通りのできになりました。

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今回のハンドメイドルアーの製作方法は、あくまでもYATAの自己流です。長い連載でおうち時間もひとまずは終わりに近付いていますが、皆さんも、それぞれ工夫を楽しみながら納得できるハンドメイドルアーを作ってみてください。そして「ハンドメイド縛り」で干潟・カヤックに挑んで、自分で作ったルアーでキャッチする愉しさを味わってみてください。

(「そうだ!ルアーを作ろう!」終了)

2020年5月16日 (土)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑭ホログラムシール・目の貼り付け

前回はダメージカラーの削り出しでした。削り出しが終わったら、再び2日以上乾燥させた上で、目とボディのホログラムシールを貼っていきます。

【ダメージカラー再研磨】

シールの貼り付けの前に今回は再研磨が必要になりました。

前回のグリーンバックのシワ除去のあと、レッドヘッドとともに2日間乾燥させました。すると…グリーンバック、レッドヘッドともに、さらにシワが広がりました。

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たまに、このようにシワを制御できないときがあります。大きな要因は、ベース白の乾燥不足だと思います。どうするか悩みましたが、今回は、ブログの進行を優先して、再研磨の上で、次のシール貼りに進むことにしました。

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【ホログラムシール貼り付け】

ボディのホログラムシールですが、シール自体はどのようなモノでも構いません。YATAの場合も、様々なシールを試しました。

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その結果、オーソドックスなこちらに落ち着きました。

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本当は、このボーダー柄のホログラムシールの上にラジエントライトフィルムのブルーを重ね貼りすると、素晴らしい色合いになります。

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一時期、これ一辺倒でしたが、肝心のラジエントライトフィルムが手に入らなくなったので、現在はホログラムシールのみにしています。

目の方は、ごく一般的なこちらです。立体アイなどは使用していませんが、皆さんは自由に発想してもらえれば良いと思います。

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まずは、目から貼り付けます。その際に左右の位置がずれないように、マスキングテープで位置取りをすると確実です。

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次に、ボディのホログラムシールですが、コツはあまり広くしすぎないこと。細めで構いません。このシンベンはローリングが強いので、細めでもロールの際にしっかりアビールします。また、あまり太めにしてルアーの体高の上下に巻き込むようにするとシワが寄りやすくなります。このため、細めが安全です。また、ヘッド側の先端は、レッドヘッドの部分に重ねる位の位置まで貼った方が見た目が良くなります。

そのボディのシールの切り出しですが、まずはボディにマスキングテープを貼って、シールのサイズを描き込みます。

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これをホログラムシールに貼って切り出します。

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貼り付けの際は、シール自体が薄いので注意が必要です。一旦貼ったシールを剥がしてやり直そうとすると、伸びたりシワが刻み込まれて使えなくなります。このため、一発で決める必要があります。

やり方は、まずは裏の紙を剥がさないまま位置決めをして、しっかり指で押さえつけます。

次にシールの先端を少しだけ剥がして、そこの裏紙だけをハサミで切り取ります。そして、この部分だけを慎重に貼り付けます。

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次に、残りの半分位のところまで裏紙を切って、そこまで貼り付けます。

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最後は裏紙をすべて剥がして完全に貼り付けます。

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何度か失敗しても当たり前なので、チャレンジしてみてください。

ここまでできたら、ベース色を塗った後と同じようにUVレジンを塗ります。今回は2回塗りです。これは、∇ダメージカラーの塗料が仕上げのディッピングで溶かされて流れ落ちないようにするためと、∇ホログラムシールがディッピングのセルロースセメントで縮んだりくすんだりしないように保護するためです。やり方は、前回と同じですが、今回は片寄りが出ないように、1回ごとにルアーの上下の向きを変えます。

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ここまで来るとかなり完成品に近くなります。

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ただ、やはりレジンが凸凹になります。特にシールの厚みが影響してシールの端辺りに段差ができるので、段差ができたところを研磨します。

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ディッピングを始めてから3回目の形を整えるための研磨ですが(ダメージカラー用を入れると4回目)、まだこの後に最低1回は研磨します。納得できるルアーを作るためには、研磨が大切です。

次は、いよいよ仕上げのディッピングです。

(⑮に続く)

2020年5月15日 (金)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑬ダメージカラー研磨

いよいよ、ダメージカラーを作る研磨です。こんなカラーを目指します。

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慎重さが必要ですが、楽しくて仕方がない作業です。コツはひとつだけ。削りすぎないことです。

【研磨(ダメージカラー)】

まずは塗装後に2日以上乾燥させたルアーのアイについた余分な塗料をデザインナイフで削り落とします。だいたいで構いません。研磨に使うのは1000番の耐水ペーパーです。

削っていくうちにペーパーに削れた塗料がこびりついて削りにくくなります。このため、水でペーパーについた塗料を落としながら進めます。塗料が付いたまま、力を入れて無理やり削ると削りすぎることがあるので注意してください。

準備に入ろうとしたところで問題発生。レッドヘッドは大丈夫だったのですが、グリーンバックが…。

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シワが入ってしまいました。これは、下層の塗料の乾燥が不十分な時に発生します。下層と上層の乾燥の早さの違いから塗料面の縮み方に差が出てしまいシワが入ります。問題は、その現象がどこで起きているのか。ダメージカラーの多色塗りで起きているのなら、縮みの部分を中心的に削ることで修正が可能です。問題は、ベースの白だった場合で、このケースでは深い層までシワが入っているため、最悪、ベースの白まで戻って(削って)やり直しが必要になります。やり直さないと、徐々にシワが広がった上で表面が割れてしまう場合があります。下の写真は、シワが割れてベースの白まで露出した例(レジンとセルロースセメントで穴埋めしてあります)。

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どちらなのか、ここが問題です。

そこで、ひとまず、問題のないレッドヘッドの研磨から。

まずはマスキングした境のバリを削り落とします。これをしっかりやらないと、この後、ホログラムシールを貼ったときに段差が出てしまいます。このため、ベースとの段差をしっかりなくします。

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次にルアーの角から広めに優しく徐々に削っていきます。鋭角に深く削ると表面が凸凹になるので注意してください。削っていくと、年輪のような模様が出てきます。

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見た目を際立たせるコツは、黒や青など濃いめの色を多く残すように削ることです。コントラストが出た方が、よりダメージ感が出ます。

それともうひとつ。ルアーの前後に伸びる形で削ることです。ルアーに対して直角になる模様より、前後に伸びる模様の方が躍動感が出ます。特にティアドロップの形でルアーのヘッド側にティアドロップが落ちる側、テール側にティアドロップの上側(細い方)を配置すると躍動感が際立ちます。

ルアーの左右のバランスは、あえて非対称にします。

削っても無駄な所もあります。目のシールとボディのホログラムシールを貼るところです。ここは適当に済ませます。

削る際は塗料を塗った順番を思い出しながら進めます。2度目の黒が出てきたら、あとはベースカラーのみです。これ以上は無理して削らない方が無難です。

そしてレッドヘッドの作業終了。

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問題はグリーンバック。

ひとまず、マスキングのバリを削ります。

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そして慎重に、シワの原因を探りながら削っていきます。原因は、ベースの白の可能性が大きいことが分かりました。ただし、塗料の浮き上がりなど最悪の状態は免れていたようなので、このまま作業を続けることにします。

グリーンバックのコツのひとつが背中の部分。さわる程度の優しさで表面のグリーンをまだらになるようにわずかに削り落とすと、よりダメージ感を演出できます。

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シワの部分も何とか加工。

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これでひとまず、研磨は終了です。

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このダメージカラーですが、カラー自体が釣果へのプラス要素があるかどうかを考えると「多分、意味はない」と思います。

では、なぜ、こんなに手を掛けてダメージカラーを作るのか?それは、前にも書いた通り「納得できるハンドメイドルアーが釣れるルアーになる」と言うことからです。

手を掛けて納得できるまで作り込んだルアーは、なかなかバイトが得られない時でも信じて使い続けることができます。その結果、使い続けることでヒットに結び付くことがあります。その瞬間にそのルアーは「厳しい状況でもシーバスを引き出せるルアー」に昇格します。信じられるルアーは出番も増えて、様々なシチュエーションで試すことが出きるようになります。その情報をルアーの操作や次に製作するルアーの計画に反映することができます。こうしたプラスのサイクルに乗せるためには、やはり「納得できるまで作り込んだルアー」が必要になります。

ハンドメイドルアーにチャレンジしたけど釣れないから作るのをやめた、と言うケースは、こうしたプラスのサイクルに乗れなかったことだと思います。

だからこそ、納得できるルアーを作ることが大切なのです。

実際にYATAも納得できるルアーを使い込んだことで、ある干潟のあるシチュエーションでは「このルアーで釣れなければシーバスは絶対にいない」と自信を持って言えるパターンがいくつかあります。そんな納得でき信じられるルアーがダメージカラーです。しかも、ダメージカラーそのものと言うより、ダメージカラーを作り出すように丁寧にしっかりと作り込んだルアーだと思います。

次は、ホログラムシールの貼り付けです。ただし、シワがさらに入る可能性もあるので、数日は乾燥させて様子を見ることにします。

(⑭へ続く)

2020年5月14日 (木)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑫塗装(ダメージカラー用多色塗り)

ここが肝心。ダメージカラーの元になる多色塗りをします。

【塗装(多色塗り)】

ダメージカラーは、複数の色を重ね塗りした上でこれを削り、蒔絵のように複数の色を露出させます。

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このため、多色塗りが重要です。コツは濃い色と明るい色を重ねることです。もちろん、今回もCクランプを使用します。2~3色ごとにしばらく乾燥させます。

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今回は、こんな感じ。

まず黒を最下地にします。ヘッドまでしっかり塗ります。

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次にグリーン。

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そしてヘッドのみにレッド。

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次は全体にブルー。

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次にシルバーを全体に塗った上で、再びヘッドにレッド。

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再びブラック。

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そしてグリーンとヘッドのレッドで終了。

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この後は、マスキングテープを外して2日以上、乾燥させます。

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次は乾燥後の研磨です。やっとダメージカラーが見えてきます。

(⑬へ続く)

2020年5月13日 (水)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑪塗装(下地保護)

続いて下地保護のためのUVレジンです。

ダメージカラーは、多色塗りをした上で、研磨をして多層の色合いを露出させます。個の研磨を失敗すると、躯体の木の部分まで削ってしまうことがあります。これを防ぐため、前回塗ったベース色の上にUVレジンの保護層を作ります。「面倒!」と思うでしょうが、面倒でも納得できるルアーを追求するのがハンドメイドの醍醐味です。商業ベースでは、とても成り立たない作業です(商業ベースならもっと良い手法を見つけると思いますが…)。

【UVレジン】

UVレジンの工程で必要なのは、UVレジンと筆、UVライトです。

レジンは硬化後に硬度が高く黄変が少ないものを選びます。YATAは、様々なものを使ってこれに落ち着きましたが、まだ他に良いものがあるかもしれません。

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UVライトは、ネイル用の大きめのものを選ぶと便利です。手をそのまま入れられるタイプです。このサイズになると、10cm前後のルアーは中に吊るして硬化ができます。

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あと、ネイル用のUVライトは、製品によって短時間でライトがOFFになるタイプがあります。紫外線を必要以上に浴びないよう配慮した製品です。ただし、ルアー製作では、必要以上に浴びせることが重要なので、連続照射が可能な製品を選んでください。

そのUVレジンですが、筆を使って全体にムラがないように塗っていきます。できるだけ多めに塗るのがコツです。厚い皮膜を作るイメージで行ってください。また、アイの内側の付け根の部分が十分に塗れていないことがあるので注意してください。

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塗った後は、ヘッドを下にしてUVライトを照射します。

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すぐに硬化を始めますが、厚めに塗っているのYATAは1時間程度照射します。さらに、1日、外干しをして自然の紫外線もあてます。これは、念のためなので省略しても構いません。この工程を経ると、さらにルアーらしくなってきます。

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【研磨(調整)】

ここで、調整の研磨をします。UVレジンをどんなに丁寧に塗ってもムラが出ますし、垂れたレジンで凸凹ができます。これを修正します。気になる部分があれば、その周囲を含めてマジックで色塗りをします。広めに塗るのがコツです。

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塗ったら1000番の耐水ペーパーで、丁寧に少しずつ確認しながら削ります。決して、ベース色に届かないようにわずかに削るだけです。こうして下地保護の工程は終了です。

次は、多色塗りです。

(⑫へ続く)

2020年5月12日 (火)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑩塗装(下地)

次に塗装の過程です。

塗装ですが、YATAの塗装の過程はダメージカラーの場合、以下の通りです。

下地(白)→ベース色→UVレジン→ダメージカラー用多色塗り→研磨→ホログラムシール貼り→UVレジン

かなりの手間がかかります。それでも、自分用に、自分で好きなだけ手間をかけて、自分が納得できるルアーを作るのがハンドメイドの楽しさです。大変ですが、納得感は得られます。

ちなみに、下の写真のようなソリッドカラーで良ければ、ダメージカラー用多色塗りと研磨は省略できます。時間を優先するときは、この省略だけで2~3日を短縮できます。

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また、ダメージカラーしなくても、グラデーションにする手もあります。こちらでも、多色塗りと研磨を省略できます。

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それでは、以下、ダメージカラーでの工程です。

【下地】

下地には白を塗ります。これをルアー全体のベースになるだけでなく、上塗りした色の発色を高める効果があります。

この下地の白ですが、YATAはディッピングで行います。スプレーでも良いのですが、スプレーだとどうしても細かな塗料が飛び散る他、シンナー臭の問題あります。ご近所対策では、スプレーは最低限に抑えたいところです。ディッピングを活用すれば、スプレーの工程を減らせます。さらに、下のRHならボデイとRHともにディッピングで、スプレーを使用していません。RHの赤も赤い塗料を小さな缶に入れておき、そこに浸けただけです。

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話は戻って白ベースです。

前にも説明した通り、エナメル系の白を使います。ボトルに小分けした塗料にディッピングします。やり方はセルロースセメントと同じでゆっくり浸けてゆっくり引き上げるだけです。ただし、白ベースのディッピングは1回のみです。失敗すると修正は効かず、一旦、塗料を全て削ってやり直す必要があります。ここで気を付けるのが気泡です。エナメル系の塗料は粘り気があるので、気泡が入ると放置しても割れて無くなってはくれません。しかも厚みがあるので、気泡の膨らみを削っても凹の形が残ってしまいます。

この気泡はアイの周辺と浸けきった時の最上部で出やすい傾向があります。このため、先にアイの周辺などに塗料を塗っておき、ディッピングに馴染みやすくします。下の写真がアイの周辺に塗料を塗った後の様子です。

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これを静かに沈めて引き上げます。

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この後は、セルロースセメントと同様に吊るして陰干しをします。ヘッドを上に、テールを下にするのが最適です。

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ここでも注意点がひとつ。エナメル系の塗料は、流れ落ちるのに時間がかかります。時間をかけてしっかりテール周辺に垂れてきた塗料を楊枝などで取り除いてください。ここで手を抜くと、テール付近に垂れてきた塗料がたまり、テールが太くなる他、乾燥に時間が掛かってしまいます。

このまま、最低でも2日は乾燥させます。気温が低い季節は3日以上、乾燥させてください。

【ベース色】

次にベース色の塗装です。

RHはボデイ全体をパールホワイト、ヘッドにメタリックのレッドを塗ります。

グリーンバックは、背中にグリーンを塗ります。

塗装には、タッチペンとエアータッチを使用します。これならエアブラシがなくても、それなりの塗装が可能です。また、噴出量が通常の缶スプレーと比べて極めて少ないため、ご近所対策にもなります。

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ちなみに、多くの色を使うため、タッチペンとヘッド部分をこのような箱に刺して密封して保存しています。

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塗装の際は、ルアーをCクランプなどで固定します。

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グリーンバックは、背中のグリーンを塗った後、腹の白を塗ります。まず、腹にグリーンの塗料が飛ばない用にマスキングをします。

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その上で、背中のグリーンを塗ります。

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そして、腹のパールホワイト、ヘッドのレッドの順で塗ります。

RHは、全体にパールホワイトを塗った後、ヘッドのレッドを塗ります。

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これで、下地の塗装は完了です。

次は、ベース保護のUVレジンです。

(⑪へ続く)

2020年5月11日 (月)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑨下地研磨

下地のディッピングが終わったら、2日以上乾燥させて、下地の研磨を行います。

【下地研磨】

8~10回ほどディッピングを行うと、思った以上に凸凹が出てきます。これは、元々の本体の凸凹が主な原因です。しかし、それ以外にもその凸凹のせいで本体に止まる溶液と流れ落ちる溶液の場所による差が出て、より凸凹が大きくなったり、アイ影響で周辺に落ちにくい溶液が止まったり、さらには溶液が乾燥する際に縮んで本体の木の部分を締め付けて収縮させたりと、様々な要因が重なってできます。このため、この段階で、しっかり下地を研磨してならしておく必要があります。既に、かなり固まっているので、ここでちゃんと研磨しておけば、そのあとは収縮での凸凹は出にくくなります。

そのやり方ですが、まず、ルアー全体にマジックで色を塗ります。

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研磨に使うのは1000番の耐水ペーパーです。ここで、あまり荒いペーパーを使ったり、力を入れすぎて研磨したりすると、下地の溶剤を削り落として木の部分が出てきてしまいます。そうなると、ディッピングからやり直しです。細かなペーパーで、丁寧に行います。

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研磨は当然、水研ぎです。ブロックを使って平面をあてるようにして徐々に削ると下の写真のようになります。

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同じ場所を削っているのに、インクが落ちた=削れた部分と、インクが残っている=削れていない部分が出てきます。もちろん、削れていないところが凹の部分です。力を入れすぎないように、そして平坦にゆっくり削っていきます。

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まずは横腹。次に下腹。そして背中の順に四方向から削ります。

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この後、残った面を曲面をつけながら削っていきます。曲面は左右でバランスを見ながら進めていきます。

しかし、どうしても凹が残る場合があります。

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こうした所は、一ヶ所を集中して削るのではなく、周囲の面と均一になるように広めに削ることが大切です。

そして研磨終了。

すっかりルアーらしくなります。

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ここで、もう一度、スイムチェックをしても良いと思います。ここで動きに問題がなければ、ほぼ100%、スイムは大丈夫です。

次は塗装工程です。

(⑩に続く)

2020年5月10日 (日)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑧ディッピング(下地)

やっと下地のディッピングを開始です。

【ディッピング(下地)】

まずは、十分に乾燥させたルアーをベース用の溶剤に浸けます。ベース用の時だけ40分間、浸けたままにします。

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終わったら前回紹介した引き上げ用の棒で引き上げ、乾燥用のS字フックに付け替えて乾燥させます。

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乾燥は、この後、全ての段階共通で最低1時間は間隔を取ります。また、ディッピング後は、楊枝などを使って、アイに付いた余分なセルロースセメントを取ります。楊枝を回しながら巻き取るようにすると簡単です。ただし、吊るした際の下の部分は、時間が経つと上の方から徐々に溶剤が落ちてきます。そのため、あえてこの作業に時間をかけます。ゆっくりやることで、溶剤が落ちてくるのを待ちます。ここで手を抜くと、テールが太くなりすぎたり、ヘッドの形が変わってしまって泳ぎに影響を与えるので注意が必要です。また、腹のアイもちゃんと取っておかないと、アイの部分の溶剤が下に落ちることで腹の部分が凸凹になってしまったり、アイの足元が必要以上に太くなりすぎたりするので注意してください。

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ベースのディッピングの後は、下地用の溶剤で8~10回ほどディッピングを行います。

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ディッピングは、ゆっくり5秒以上かけてゆっくり浸けて、30秒ほどかけてゆっくり引き上げます。

ボチャンと浸けると気泡が出やすくなります。また、急いで引き上げると、ルアーにうまくまとわりつかずにそのまま流れ落ちる量が増えます。ゆっくりをキーワードにしてください。

また、ディッピングの方向は、毎回、ヘッドとテールの向きを交互に変えてください。変えないと、常に下側にある方が太くなってしまいます。

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そして、前回説明した「かぶる」現象です。正直、下地の間はかぶっても構いません。あまり影響はありません。かぶっても、そのまま次のディッピングに進んでも大丈夫です。しかし、塗装後は、必ず対策が必要です。かぶった状態は、表面にごくわずかな凸凹ができていると思ってください。そのままで次のディッピングをすると、凸凹の間の空気が残ってしまい、次のディッピングの溶剤に小さな気泡が沢山入ってしまいます。見た目が良くなくなります。このため、かぶった後は、リターダーでの処理が必要です。

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写真の下側のルアーがかぶった状態です。撮影用に湯気をあてて無理やりかぶらせましたが、いまひとつかぶってくれませんでした。これにリターダーを塗ると下の写真のようになります。

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かぶった部分と処理した部分の差が明確に分かると思います。このように処理をしておけば、次のディッピングでも大丈夫です。もちろん、処理後は乾燥させてください。

こうして8~10回ほどディッピングをすると下地作りは終了です。

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次は塗装前のサンディングです。

(⑨に続く)

2020年5月 9日 (土)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑦ディッピング(準備)

ここからは、少しだけ時間がかかります。

ディッピングです。

【ディッピング(準備)】

ディッピングは、ルアーを溶液に浸して皮膜を作る作業です。繰り返し行うことで、強度と美しさを形作ります。

ビルダーによってやり方や回数は異なります。下地は、YATAと同じようなどぶ漬けが多いようです。塗装後のディッピングは、エアブラシがあると薄い皮膜を形成できます。薄い分、乾燥時間も短縮できます。ただし、用具の準備や使用後の手入れに時間が掛かりますし、エアコンプレッサーの音など、仕事後の夜間などに行うのは向いていません。このためYATAは、全体を通してどぶ漬けで行っています。

ディッピングに必要な溶剤は写真の通り。

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左から2つ目の大きな缶が、ディッピングに使うセルロースセメントです。ウレタンフロアーの方が使いやすいと言う話もありますが、大きな差はありません。強度や透明感、紫外線で変色する黄変のしにくさからセルロースセメントをお薦めします。もちろん、セルロースセメントでも黄変しやすい製品もあります。そこは、何種類も使ってみて、自分に合った溶剤を選ぶしかないと思います。ちなみにYATAは、いくつか使った上でFOKの製品に落ち着きました。

写真の右から2つ目が、セルロースセメントが固くなってきたときに薄めるラッカーシンナー。一番右がセルロースセメントの表面を溶かすリターダー(アノン)です。リターダーは、一旦乾いて固くなったセルロースセメントの上に更にディッピングしたいときに表面を溶かして密着しやすくするために使います。ただし、ディッピング途中で、間隔が1週間程度あいた位なら使う必要はありません。また、仕上げの時にリターダーを混ぜたセルロースセメントを使うと透明感が増します。塗るだけでも構いませんが、刷毛痕などがつくことがあるので、セルロースセメントに混ぜてディッピングすることをお薦めします。さらに、気温が低い場合(5度前後以下)や湿度が高い場合は、ディッピング後に表面が磨りガラスのように曇る「かぶる」と言う現象が起きることがあります。この際も、リターダーを塗ればかぶりを消すことができます(これは、また後日説明します)。

そうしたことを念頭に、YATAは100円ショップで手に入れたガラス瓶に各段階用のセルロースセメントを小分けにしています。

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左から∇ベース用∇下地用∇塗装下地用∇上塗り用∇仕上げ用です。

ベース用は、セルロースセメントとラッカーシンナーを5対5程度に混ぜてあります。これに長めに浸してひのきやバルサの目止めと防腐をします。ただし、この行程は無くても大丈夫です。目止めをしないと、最初の数回、特に気温が高いときに表面に気泡が出るときがあります。その場合は、毎回、軽くサンディングをすれば大丈夫です。

下地用は、塗装前までの下地作りです。上塗り用がゴミや塗料で濁ってきたら、下地用に回します。

塗装下地用は、普通に塗装するのなら不要です。ただ、ディッピングで済ませることが出きるとスプレーをしないで済むので、夜中でも作業ができます。また、皮膜が厚めになってしまいますが、その分、この後の行程でミスで下地(木)を出してしまうおそれも減ります。YATAはFOKのエナメル系を使っています。

上塗り用は、塗装後の上塗り用です。濁りがないセルロースセメントを使います。また、塗装後、セルロースセメントのディッピングまでに、もう一過程あるのですが、それは後日、ご説明します。

そして仕上げ用。リターダーを混ぜたセルロースセメントです。だいたい5~10%程度です。最後の仕上げやかぶったときに使っています。

あと、大切なのが、ディッピングの時に使う用具。吊るすためのS字フックはステンレスバネ線の余りを使って作ります。ルアーのサイズや種類によって、適切なモノを作ります。

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ちなみに、写真の一番下の長いのは、長時間浸けた後や誤ってセルロースセメントの中にルアーを落としてしまった際に引っ掛けて引き上げるための棒です。

ディッピング後の乾燥は陰干しです。YATAはベランダに乾燥と資材保管のストッカーを置いています。扉が閉められるタイプです。埃は大敵なので、必ず風があたらない場所に干してください。たまに、夜間に作業をしていると、作業灯に引き寄せられた虫がディッピング直後の乾いていないルアーに引っ付いてしまうことがあります。ダンボールに棒を通すだけでも構いませんから、乾燥用の口を閉じられる箱は用意してください。

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それと、溶剤の保管は、直射日光があたらないようにして、屋外で保管してください。基本的に、揮発した溶剤は健康に良くありません!

溶剤の説明だけで長くなってしまいました。次は、最初のどぶ漬けから始めます。

(⑧に続く)

2020年5月 8日 (金)

おうち時間「そうだ!ルアーを作ろう!」⑥研磨

ここは大切。下地の研磨です。

【研磨(1回目)】

実は研磨は4段階あります。

まずはベースを作る最初の研磨です。

ここで使うのは、240番の耐水ペーパーと研磨ブロックです。

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はじめに、ルアーを水に浸けて湿らせます。

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その上で、テールの絞り込みの部分から研磨をはじめ、次に横腹、ヘッドのサイドと続きます。コツとしては、テールの絞り込みでは腹からテールへ、ヘッドのサイドは腹側から先端へ、つまり太い方から細い方へ削ります。逆にすると木目の部分が引っ掛かって捲れ上がることがあります。たいした問題ではないですが、作業がやりにくくなるのとその後に修正が必要になる場合があるので、ひとまず慎重に進めます。

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次に腹と背中の面を出した上で、横腹から腹や背中への曲線を出していきます。テールもしっかり絞り込みます。削りすぎかと思うかもしれませんが、ここはディッピングで強化できるので、大胆に削っても大丈夫です。

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だいたい整ったら、あとは自分が美しいと納得できるラインを出すように調整します。実は、ここが肝心なんです。自分が納得できるルアーは、なかなか釣れなくても使い続ける気力が維持できます。納得できていないと、釣れないのはルアーのせいにしがちです。結局、使用頻度が減って釣れない、使わないルアーになってしまいます。だからここは「納得」を追求してください。

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ここまで到達したらスイムテスト。

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風呂を使えればそれに越したことはないですが、洗面台でも十分です。フックなしで、グリグリとローリングしたらOKです。

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動画があるのですが、アップできないようなので言葉で説明しますが、ルアーがひっくり返らない程度に角度をつけてローリングした方がよい動きと言えます。この後、ディッピングで重量を増し、フックでセンターウエイトと抵抗が付加されるので、この段階から若干、動きが弱まるためです。

それを目安にしてください。

次は、ディッピングに進みます。

まだまだ、先は長いです。

(⑦へ続く)

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